右肩上がり

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なまはげラブラビリンス

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なまはげ


鬼のように見えるけど、実は神様である。




「泣く子はいねぇが?」のフレーズで、

山から子供を叱りにやってくる。



我が家にも小さい頃は、大晦日になまはげが来ていたものだ。



その正体は、町内会のおっさんである。



あのこわーいお面の下は中年男性なのだ。

もしかしたらイケメンもいるかもしれない。期待したいところだ。






そんな人間味溢れるなまはげ、

小さい頃の私は、ぶっちゃけクソこわかった。




右手に包丁(本物だったかどうかは覚えていない)

左手に酒瓶←



泣く子はいねぇが?と言って上がり込んできては、1杯家の人とやっていくのだ。



その迫力といったら、洗濯機の中に隠れてやり過ごすくらいだ。



私のイチオシの隠れ場所でもあった。




今ではもう過疎地域なので、そんなイベントなくなってしまったけれど。


そんな、なまはげへの敬意を評しながら、イマジネーションあふれる(?)恋愛っぽい物語いってみましょう!



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就職してから8年が過ぎた。

もうすぐ三十路を迎える。



七海 凛(ななうみ りん)と言うのが私の名前だ。



ナヨナヨしてんのは嫌いだ。

大和撫子なんて言えば聞こえはいいけれど、実際は、男勝り×3くらいの性格だから男に人気はないようだ。




社内には、私より年上の女性が沢山いる。

「もうすぐ三十路なのに、まだ相手もいないそうよ」



ボソボソ噂し始める輩もいる。



「うるせぇお局共め。」

そんな心の中で悪態をつく。



結婚したら幸せじゃねぇだろ、そんなんただの通過儀礼だろうが。



……わかってはいても、周囲の囁きや評価というのは、ことの他、心に釘をうつ。


「おもしろくねぇー…」


ボヤキばっかりで自分が惨めになっちまう。



仕方ないから、今日はカフェオレ特盛でいこう。



廊下の自販機で3本もカフェオレ買ってやる。

「カフェッオ~レが飲みたいのッ」



心でつぶやいて、足早に自販機へ向かおうとした。



「ガシッ」


おかしい、なぜか肩を掴まれている。



なんだ?誰だよ?私は今カフェオレ買いにいくんだよ!

アイラブカフェオレ!カフェオレなき未来にスイートは待ってないんだ!そう、糖分こそ栄養!






振り向いたら「なまはげ」だった






鼻から鼻水垂れ流しそうになった。

乙女にあるまじき顔を披露するとこだった。

なんか目のとこくり抜かれてて、中の目笑ってるし。




「ななせんぱ~い、どこいくんすか~?」




なまはげから声がする。


この間の抜けた喋り方、覚えがある。



「うるせぇ、ヒョロ介!私はカフェオレに愛されにいくの!」



そう、お面つけて私の肩を掴んだのは、

朝一 良介(あさいち りょうすけ)っていう後輩だ。



なんかいっつも足長スーツ着て、ヒョロい感じするからヒョロ介ってアダ名つけてやった。



なかなかセンスあるでしょ?


まぁそう呼んでるのは私だけだ。ネーミングセンス?そんなのはカフェオレ飲んだらどっかいっちまうんだよ!



「え~、ちょっと待ってくださいよぉ~、今年新歓の幹事なんでなまはげやろうと思ったんですけど、どうすかね?」


「はいはい、似合ってるよー、うん、いいと思う!よし、いいね?私はカフェオレ行くからさ」


「あ、なな先輩参加でいっすよね?なまはげ見せますから。拒否権はないっすよ~」


「お前はどこのヤクザだ!仕方ねぇから行ってやるから、カフェオレ買わせろ」


「よしゃー、参加1名っと。」


「……待て、他に参加者は?」


「聞いたら後悔するっすよ?」


「わかった、いい、言うな、私はカフェオレに全霊を注ぐ」


「カフェオレ先輩頑張ってください~」


「お前が頑張れ!私は名前はカフェオレじゃない!」



スパーンと背中叩いて、自販機へ向かう。




あぶねぇ、危うく私の鼻水姿が後輩の噂話にされるところだった。



まぁいいか、カフェオレ飲もう


プシュ


ぐびぐび


あー甘くてうまいっ!



今なら鼻からカフェオレ出ててもイケてるっしょ!

思わず踊っちまううまさだぜ、べろぼうめ!

それ腰振り足振りノリノリだぜ!




廊下の端から上司見てたって?

ハハハ、そんなん気にすんなよ!!



いや、超気になります、ごめんなさい、今すぐデスク戻って仕事します!!!




なんてやってたら新歓の日になってた。




「アイツ参加者聞いたら後悔するつったけど、随分盛況じゃねぇか……」


予想以上に人がいた。



あ、やばい、お局トライアングルがいる。

あそこは魔の領域だ。手を出したら身も沈む。




見つけた瞬間、嫌な予感がして背中を向ける。


パッと照明が消える。


どうやら余興が始まったらしい。




「ばぁーん!」


効果音は音じゃなく、自分でしゃべってるらしい。



照明が戻ったら、

なまはげが三体くらい現れた。



どれがヒョロ介だ?てゆーか、みんな半裸じゃん。



「よくこの余興に部長許可出したなぁ…」


なんて思いながら、そこらへんにいた部長の顔みたら鼻水出そうな顔してやがる。


あー、これ後で激おこプンプン丸なるやつだ。


しーらねっと。




しかし、よく見るとなまはげみんな筋肉質だなー


ヒョロ介どれだかわかんないけど、ヒョロくないんだなー、ほー。


挨拶周りを始めたなまはげ達を横目で見ながら、乙女のたしなみカルアミルクをいただく。


やっぱこれっしょ、うまひ~!



「おーい、良介くぅーん♡」

お、この声はお局達だ



「泣く子はいねぇが~?」

「ここにいまーすエ-ン」


何言ってんだアイツらは…私の中でカルアミルクが沸騰しそうだ、、、ゴゴゴ


「ねぇ良介くん、好きな人とかいないのー?私達いつでもOKよ!」


「俺っすか?なな先輩がスキっすね。」




その瞬間、私の中のカルアミルクは蒸発した。




決めた、アイツと結婚するわ。



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聞き耳たてずとも、自分が興味ある話とかって聞こえてくるんですよね、不思議!


なな先輩はその後、逆プロポーズしたそうな。

それはまた別のお話。




それでは、また今度!

ばいっちゃ!